このブログは、慶應義塾大学メディアコミュニケーション研究所の金正勲ゼミのメンバーによるブログです。

木曜日, 6月 08, 2006

嬉しいサプライズ -古川享さんを交えてのゼミ

6月5日の月曜日、嬉しいサプライズがありました。

いつも通り、大学院棟2階の教室に向かうと、親しみやすい風貌のおじさま(失礼?)が座っていました。
それが、古川享さんでした。

古川さんは、知識が豊富で話も面白く、気さくで笑顔が素敵でした。
ネットの第一線で働いていらしただけあって、ちょっとした糸口から、深い話を伺うことができました。
例えば、企業が進出する際、受入国は国益を守るために規制をかけ、それに迎合する形で対応した企業が最初に進出して利益を得ます。そのときに、言論の自由が犠牲になったり、スカイプが使えない機能を導入して国営企業との競争を防いだりするなど、利用者にとって不利益を与えることもあります。
マイクロソフトの中国進出の際のフォントの話、MSNでのメールやメッセの内容を提供しなければならない法律の話など、具体例がすらすら出てきて、驚かされました。
中国でのgoogleやwikipediaについての検閲・規制の話題も記憶にあったので、興味深かったです。

一番印象に残った話は、紙メディアとネットの融合について。
古川さんは、マイクロソフトの前に、アスキーに勤めていて、紙媒体に携わっていたそうです。
フォントのちょっとした違い、レイアウトの大切さがわかった上で、ネットに係われたことはよかったと話していました。
また、紙媒体単体での生き残りは大変だけれども、ネットと連動することでできることがあるのではないかということでした。
例えば東京カレンダーという雑誌は、ネット関係の技術を持つアクセスという企業の関連で出版していて、紙での信頼関係をベースにネットでの可能性を考えているとの話でした。

このように、輪になって近くで話ができたこと、嬉しかったです。
でも、90分が終わってみて、もっともっといろんな話をしてみたいと感じました。
古川さんが、またゼミに来てくださることを、とても楽しみにしています。
その時には、もっと議論ができるように、もっと私も勉強しなければいけませんね。
今回のゼミは、みんなにとっていい刺激を受けられる場になったのではないかと思います。