このブログは、慶應義塾大学メディアコミュニケーション研究所の金正勲ゼミのメンバーによるブログです。

火曜日, 12月 05, 2006

コンテンツ政策3つの気になる点

非常に個人的に話を聞いてみたいという興味のみでテーマ選びます。
あとは、三田祭論文を通して特に論議すべきと思った点からも考えると


9 コンテンツ取引市場論議(取引市場、資産評価)

デジタルコンテンツ取引市場がアメリカなどに比べて日本は小さい(というよりも閉鎖的な面が強いのだろうか)という点は問題がある。良質なコンテンツを揃えて集客するビジネス(インターネット放送など)にとっては、テレビ局等の垂直的構造によるコンテンツの囲い込みなどは厄介。さらにアニメなどの日本のサブカルチャー(?)を輸出しようというソフトパワー論を推す場合にも市場がある程度形成されていないと話にならない。また、デジタルコンテンツは無形であり、評価や価値をつけ難いものであり、現状の会計の仕組み(かなり現在の「企業」に追いつけていない感があります)では客観的な金額を用いての表示ができない。
これはデジタルコンテンツに関わる企業の評価も難しいということにもなり、なにかと不便になるのでは?と思います。


6 著作権論議の高まり

コンテンツ産業扱うに当たって、常に障害となることは感じました。著作権の扱いにより、利を得る人、害を得る人が生まれてしまい、これは民間でどうこうなる問題でもないと思うので是非政策として考えるべきでしょう。利害関係者どちらもある程度の利益と損失を負うというのが理想ですが、それは果たして可能なのだろうか???

10 レイヤ政策論議

これは9にもつながる問題だと思われます。特にハードソフト分離論などは9とつながりすぎて個別問題でないように思うので、挙げた理由は9に拠るということにします。論文の経験からも、放送と通信などの事業縦割りの意味があまりなくなってきた(むしろ不便)と感じました。「通信と放送の融合」がすでに起こっているのだから、縦割り自体が困難になっているのは明らか。また今までの事業形態が異なる企業同士が同じコンテンツ市場の中で競争するという現実もあります。


今回他にも色々気になる論点はありましたが、ある程度民間に任せて成長・解決できそうな分野は政策で扱うこともなくてもよいのかしら…と勝手に考えてこのようになりました。