このブログは、慶應義塾大学メディアコミュニケーション研究所の金正勲ゼミのメンバーによるブログです。

水曜日, 12月 06, 2006

「文化×海外市場」をベースに選ぶ3大ニュース

3大ニュースについて。個人的な興味(keywords: 文化×海外市場×国籍)をベースに選びました。

1 欧米メディア業界の激動 ~欧米企業再編成とinnovation的価値観 ~
再編成:GoogleがYou Tubeを傘下に収め、総合電気メーカーのウェスティングハウス・エレクトロニックがCBSを傘下に収め、NBCもGEに買収され、NBCとCBSがYouTubeと提携する。France TelevisionもデジタルTVに乗り出し、2003年にはVODでアカデミー賞の「Million Dollar Baby (Canalplay)」やインデペンデントシネマ(Wild Bunch groupのものなど)にも手を広げていきたいと考えている。
日本のinnovation?:このように速度の速い再編成は日本で進んでいるか?ITベンチャー企業はまだ不安定、放送局はネットを提携先として重視しておらず、You Tubeのようなビジネスモデルはまだ確立されていない。フランスのようにVODを積極的にする放送局もとくにない。日本の放送局だけ海外市場連携プレイ&ネットから孤立していく?もったいないですね面白いコンテンツ沢山あるのに。

3 日本ポップカルチャーへの期待高まる ~nationalityの問題と行政の限界~
定義の問題:そのポップカルチャーは果たして「日本」のものといえるか?中国や韓国に外注されているアニメなどは果たして日本のものといえるのか。
実践の問題:期待は高まっているがどれだけそれに政府が関与しているか?むしろ外務大臣が積極姿勢になるより、そのようなポップカルチャーコンテンツを保持する企業や制作会社が積極的に海外に出て行かないと、いくら行政が盛り上がっていても意味はない。

9 コンテンツ取引市場論議 ~個人の趣味から、ここではアートとアニメの話をします~
アートの取引市場:アートバブルの欧米のマーケットでは、非西欧圏のアートへの関心が高まっているので、いま日本人アーティストの作品が飛ぶように売れている。が欧米と違い日本では画廊や非営利団体の活動は公私の助成金をうけれなく、企業や新聞社が個々に展示を行っていたので、欧米のアート関係者が直接一気に日本のアートを売買する市場がなかった。ようやく村上隆がつくったGEISAIが脚光を浴びて市場が出来上がりつつあるが、これを今後さらに活性化していくような制度が必要である。村上という個人一人で成り立っているアート市場だとしたら、彼の死後が危険であるからだ。
アニメの資産評価:アニメが担保になったり、アニメファンドや映画ファンドという新しい資産評価が出てきたが、いずれも赤字だらけである。コンテンツを資産とするのは画期的だが、きちんと利益が出ていないので、その点をどうすればいいのか?競売のようにコンテンツの価値自体を高めて、資産評価のプラットフォームの価値を向上させるとか?