このブログは、慶應義塾大学メディアコミュニケーション研究所の金正勲ゼミのメンバーによるブログです。

水曜日, 6月 28, 2006

佐田雅弥君のResume

第1部「ハイ・コンセプト(新しいことを考え出す人)」の時代

<要約>科学者たちの間では古くから「左脳こそが人間にとって必要不可欠な半球である」とし、右脳の重要性は否定され続けてきた。しかし、その見解は現在では正されなくてはならない。右脳は物事の「全体を捉える」能力にとても秀でており、その一方で、左脳は「詳細を読みとる」能力に秀でている。これからの時代には、従来から重視され(試験などで用いられ)、社会に恩恵をもたらしてきた「左脳主導思考」だけでなく、それに「右脳主導思考」を加えた、「右脳プラス左脳思考」というものが重要視されるのである。左脳主導思考によってもたらされてきた「豊かさ」は右脳主導思考の存在を要請した。豊かな時代では、合理的、論理的、そして機能的な必要に訴えるだけでは到底、利益を上げることが出来なくなったのである。また、単純作業では機械にその存在意義を取って代わられるようになってしまったのである。つまり、「処理能力」より「想像力」、「技術マニュアルで得られる知識」より「潜在的知識」、「細かい部分にこだわること」より「大きな全体像を描く能力」がますます必要な時代になっているのである。過去150年を3幕仕立てにたとえると「工業の時代」→「情報の時代」→「コンセプトの時代」となるといえる。つまり、体力・精神力頼みの産業から左脳勝負、そして右脳勝負へとシフトしてきているのだ。また、あらゆる職業で、これまで重要とされてきた能力はSATで測ることの出来る能力であったが、コンセプトの時代にはSATで測ることの出来ない「ハイ・タッチな能力」が重要な要素となる。コンセプトの時代に向けて我々は、「左脳主導思考」に加えて、「右脳主導思考」に磨きをかけて、「ハイ・コンセプト、ハイ・タッチ」の資質を身につけていかなければならない。そして、新しい時代にはデザイン・物語・調和・共感・遊び・生きがいの6つのセンスが不可欠になっていく。<感想>確かに今の大学生活の中でも、作業の効率化、コストの最小化を重視して生活しようとしているように思えます。それは定期試験勉強などでは顕著であります。「右脳主導思考」のなによりの価値はこうした、その場面ごとにおける感性、独創性なのだと思います。ただ、作業の効率化、コストの最小化を行うためには、「その方法」を考えるだけでなく、「その方法」を実行するだけの知識がなければいけないのではないでしょうか。右脳偏向主義には同意できませんが、これからの時代には「左脳主導思考」に「右脳主導思考」を加えるというこの本に書かれている内容には同意できました。この本ではビジネスの世界において説かれてきた「左脳主導思考」の重要性に対して、それだけではいけないというメッセージをわれわれに送っているのだと思いますが、その一方でこれを読む学生は逆に「これからは左脳よりも右脳だ」と考え方が偏ってもよくないのだ、ということを感じるべきなのかもしれないと思いました。

<論点>これからの時代では「右脳主導思考」が大切になると考えられるが、あくまで「左脳主導思考」という土台の上に「右脳主導思考」が存在しているのであって、「or」ではなく「and」で捉えるという視点が重要になのではないか?