このブログは、慶應義塾大学メディアコミュニケーション研究所の金正勲ゼミのメンバーによるブログです。

火曜日, 10月 31, 2006

テレビCM崩壊(p.76~p.111)レジュメ

レジュメをそのままコピペします。


8.ブランディングを再考する
□ブランドの存在価値=消費者の味方
・異常なまでに増え続ける商品数に埋没することなく、自分の商品を選ぶことができる
・安心感を得ることができる
・同じ価値観やライフスタイルを共有する仲間とのつながりが持てる
・メディア・コミュニティを通してブランドの比較ができる

□ニューブランディングの7つの特性
・ブランド体験…機能・ブランドに加え体験(自分の生活でどう存在する製品なのか)が必要
・流動ブランディング…ブランド・ロイヤルティーのない消費者は気移りしやすい
・アンチ・ブランド…情報仲介業(Googleなど)が従来のブランドを変えていく
・コミュニティ・ブランディング…消費者の興味を喚起するアイディアが中心となり消費者ネットワークが広がっていくことによりブランドは成長する
・ブロード・ブランド…インターネットによるブランディングの可能性
・ブランドレスポンス…ブランディング(長期)とダイレクトレスポンス(短期)の達成
・データによるブランディング…データを活用して市場・消費者を理解する

☆ニューブランディングは、広告⇒リレーションシップ・マーケティングへ
→つまり企業は消費者と緊密な関係をとるのがいい!

9.広告を再考する
□これからのニューマーケティング、ビジネスモデルの再考
・水平思考…直面する問題から距離をおいて、他の解決法を探ってみる発想転換法
・消費者のコンテンツへのアクセスが重要
・消費者のほしい情報には、消費者はお金を払う…ターゲットメッセージが伝達しやすい
・広告とコンテンツの融合…料金が低くなり消費者もお得(P96は矛盾!?)
・コンテンツの邪魔にならないようなアイディアのある広告を
・消費者に関連性(Relevance)・実用性(Utility)・娯楽性(Entertainment)=RUEのあるモデル
・ROI(投資対効果)よりもRUEで広告測定
・広告主(ブランド)が直接消費者と交渉
・消費者の実際の視聴率、消費者態度(滞在時間・注意深さ・没頭度)の測定
・消費者が広告を選ぶオンデマンド広告へ

→結局消費者が最終決定権をもつ!

□広告の新しい役割
・消費者に主導権を与える…消費者の深い関わりと目標以外の意義が生まれる
・消費者に製品を説明する…ブランドの価値やコンテクストの伝達も含まれる
・消費者に参加してもらう…楽しみがある、成功の秘訣


□感想(日々の体験から)
 広告はビジネス、マーケティングにとって重要な要素だ。しかし、いつまでたっても広告といえばテレビCMが主であり、その効果測定も視聴率くらいというあやふやなものだ。
マーケティングや商業学の講義でも、広告といえば主にテレビCMを扱い、フリークエンシーや想起など結構いい加減な尺度で測っている。しかも、その測定も適当に数人を選んでアンケートをしてみたというような風にしか思えない。緻密に計画・実行していかなくてはならない今日にこれほどいい加減なものもないといつも感じてしまう。そして最後に申し訳程度に「まぁこれからはインターネットの時代ですから、アクティブコンシューマーのことも考えてマーケティングをしていかなければならなくなるでしょうね」で1年の講義が終了する。「これからというよりも、既にその時代は訪れているのでは…」と先生に言いたくなってしまう。大丈夫か慶應。マーケティングなどの生きた学問において、いつまでも歴史研究(多分先生方はそう思っていないのでしょうが)だけしていて意味があるのだろうか?
と、ぐちぐち考えていた商学部生の私にとって、この本は爽快な内容だった。テレビ局も広告代理店もテレビCMは死なない、と思っている方は多そうだが、これを読むと死なずとも衰えていくのは必至なように思える。
今までなんでも押し付けられていた受動的な消費者は今日稀で、大切なお金を有効に使おうと思ったら情報収集をするのが当たり前だ。昔からPRという言葉は多用されていて、一方的な活動だったが、PRは双方向コミュニケーションの意味である。これからPRがない企業は消費者のニーズがつかめず消えていくだろう。また、企業から情報を取りにいかなければならなかった状態から、消費者が積極的に情報をくれる時代になったのだから、企業にとってはむしろ良い時代になったのではないだろうか。

□議論点
 ・テレビCMはなくなるのだろうか。
 ・インターネットを用いた広告にデメリットはないのか。
 ・自分が知っているマーケティング、広告をしている企業はあるか。(日本の事例で考えた方がわかりやすいかも)



広告とは?ブランドとは?
言葉の定義や概念を考えることは思いのほか忘れがちなのに気が付きました。このような抽象的な言葉は考える人それぞれ違うと思いますが、自分なりの考えに説得力をもたせれば、それもひとつの定義になると思いました。といっても自分の中ではまだ納得のいく定義付けが出来ていませんが…

このブログを学部の教授が読んだらゼミに入れてくれないかも!笑