このブログは、慶應義塾大学メディアコミュニケーション研究所の金正勲ゼミのメンバーによるブログです。

金曜日, 10月 27, 2006

NC:グーグルが起こした天変地異

ITmediaの『グーグルによるYouTube買収とWeb2.0無料経済の普及』
http://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/0610/25/news01.html

野村総研の方の非常によくまとまった記事です。要点をあげると・・・
①Web2.0の基本は無料経済=インターネット上で自己表現をする大量のボランティア+広告料
②2010年頃まで=広告費の約10%がマスメディア→インターネットへ
③このお金は無償投稿を支えるだけでなく、これまで著作権に守られてきたプロフェッショナルのコンテンツやサービスを無料化(例 wikipedia>ブリタニカ)
④無料化の圧力:固定や携帯電話にも波及

要はビジネスモデルが変化しているのですね。でもその収益方法の多くが広告費になってしまうという予想、または時代の流れはなにか偏りがあるように感じます。なぜなら既存のマスメディアはいかに広告を多くとるかが命題になり、本質を見失ったコンテンツが増えるのでは?マス向けのメディアがそれでいいのか。それに実際にコンテンツをcreateするcreator側にはきちんとincentiveになるような報酬が確保されるのか?

ですがそうもぶつぶつ言ってられないほど、googleとyou tubeの動きは速いです。
「米国ではこの買収をうけて和解が成立し、レコード業界や三大テレビネットワークと戦略的な提携が成立。分かりやすく言えば、マスコミ側が実質的に著作権を一部放棄し、クリエィティブ・コモンズによるCCライセンスの思想や哲学を受け入れた」と書かれています。

米国では新しい価値観が既に受け入れられつつあるのですね。この波がいずれ日本にもやってくるでしょうね。その時日本のTV局やJASRACはどう対応するのでしょう・・・。