このブログは、慶應義塾大学メディアコミュニケーション研究所の金正勲ゼミのメンバーによるブログです。

木曜日, 6月 15, 2006

NewsClipping

遅くなりましたが、news clippingです。

<通信・放送の在り方に関する懇談会報告書>
問題意識
 2010年度にブロードバンド化が完了 → 11年“完全デジタル元年”に
 デジタル化・IP化等のメリットを最大限に享受できる体制に

現状
 NTT → アクセス網にボトルネック性・自由度にも問題
 NHK → 不祥事・子会社が利益を得る不透明な体制
 通信 → 著作権法と放送法(通信事業者役務法)のゆがみ、ねじれ

対応
 NTT 
  ・持ち株会社の廃止を検討
  ・NTT東西の業務範囲規制の撤廃
  ・ボトルネック性の解消を目指す方向 
    →相互接続政策案だと光ファイバーをひくインセンティブがない
    →独占部門と競争部門を分離 民間も出資してひく案が現実的?
 NHK
  ・ガバナンスの強化、経営委員会改革
  ・現行8チャンネルから衛星、FMで3つを削減
  ・娯楽、スポーツなどの制作部門、伝送部門を子会社に分離
  ・英語国際放送の早期開始
  ・アーカイブをブロードバンド上で公開(有料で検討中?)
    →権利者は露出が少ないことに希少価値があるので反対?
 通信
  ・電気通信役務利用放送が著作権上も放送として扱われるようにすべき
    →そもそも、通り道が違うだけなのに、なぜ異なる法体系ができたのか? 
     今後、CATVとIPTVの競争が激化、CATVは生き残れるか? 
  ・持ち株会社制による地方局への出資など、マスメディア集中排除原則の緩和
    →地方局はどうなる?
     IP放送の再放送、自主放送が認められれば可能性は広がるが…
  ・地上デジタル移行で空く周波数帯の有効利用
    →中身は民間で議論。ケータイ放送、マルチ放送、レンタルなどに使える。
      インセンティブを与えないとデジタル化が進まない?
      でも、新たな権益を開放せず、民放に与えることになる?
 
これが、7月に発表される骨太の方針2006にどれだけ反映されるか注目したいです。
自民党小委員会が出した意見(消極的慎重論)と、竹中懇(市場主義)がぶつかる部分もあるけど、どうなるでしょうか?
今回のコンテンツ政策フォーラムで、金先生や他のどなたかもおっしゃっていたように、オープンな場でこのような議論ができるようになったことは、重要なことだと感じました。