French下院の著作権改正法案を巡るControversy
[Kimblogからの転載]
Apple社のiPod-iTMS(iTunes Music Store)バンドル戦略を「Walled Garden戦略」と呼ぶが、これに対し2006年3月21日フランス下院がiTunesで購入した音楽ファイルをiPodを通じてのみ聞けるようにするApple社の方針を「独占」であると規定し、これを禁止する「オンライン著作権法案」を通過させたことで議論を呼んでいる。
デジタルコンテンツ特に、オンライン音楽市場の競争の導入を骨子とする本法案のコアな中身としては、「全てのデジタルコンテンツの提供事業者は競合他社との互換性(interoperability)を実現させるためにソースコードを公開するように」とした点である。これは特定事業者を対象として設定したものではないものの、実際は音楽のネット配信市場で最も大きな市場占有率を保有しており、Fair Play方式という非互換DRMを通じた閉鎖的な戦略を採用しているApple社にその影響が最も大きいと見られている。Apple社を始め、本法案に反対する側は、DRMのソースコード公開とconverting programの容認は不法コピーを容易にし、著作権侵害を可能にする不法P2Pを再び活性化させる恐れがあると警告している。本法案は下院を通過し、5月には上院で討論・票決される見通しである。
いずれにしても今回の下院での法案通過は、諸外国における著作権法改正の重要な先例になる可能性がある。
参考資料
Apple: French Law Is 'Piracy'
French law is 'state-sponsored piracy'
Apple'sFrench Dis-Connection?
2 Comments:
> いずれにしても今回の下院での法案通過は、諸外国における著作権法改正の重要な先例になる可能性がある。
残念ながら、この法案はコンテンツ産業にハイジャックされたそうです。
BoingBoing:「A French proposal to change the way DRM is protected under law has been hijacked by entertainment companies and DRM vendors, and now promises to be one of the worst DRM laws in the world.」
詳しくはBoingBoingに参照。
1:29 午前
Andreas、コメント有難う!
Apple側はcontentsのgatekeeper(or filter or bottleneck)的な役割を果たしていて、Record会社をはじめとするContent holder側に対する影響力を高めていることが、Appleのライバル他社やコンテンツ産業側からみると面白くなかったんだね。それが米国企業一辺倒の端末・DRM市場に対し、不満・不安を持っているフランス政府側の思惑と一致したわけだ。それにしても、コンテンツ産業側は静かにしてれば所期の目的は達成できると思うけどね。
この問題、ある意味Microsoft社 vs EUの競争政策当局(Competition policy authorities)の構図と似てますね。
9:13 午前
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